2026 年1 月24 日(土)宝生能楽堂(文京区本郷1-5-9)14:00開演 (13:30開場)
【概要】
能楽書林が展開する〈書林アカデミー〉と、一般社団法人 伝統文化交流協会
による〈DenBun 能楽プロジェクト〉の共同企画として、新シリーズ「継 ―つ
なぐ―」が始動しました。
本シリーズは、能楽を軸に、音楽・美術・思想など異分野との対話を通じて、
伝統芸能の表現の可能性を探る試みです。第一回となる本公演では、「能とバ
ロック〜フォリア:狂気と祈り」と題し、能楽師・梅若紀彰と、バロック音楽
の第一線で活躍する演奏家たちが共演します。
西洋と日本、音楽と身体表現という異なる古典が、一つの舞台空間で呼応する
ひとときをお届けします。
【出演者】
梅若 紀彰(うめわか・きしょう)能楽師・シテ方観世流
昭和31 年生まれ。五十五世梅若六郎の孫。祖父ならびに梅若桜雪に師事。昭
和35 年「鞍馬天狗」花見で初舞台、昭和43 年「小袖曽我」で初シテ。平成22
年、梅若紀彰(二世)を襲名。古典曲の研鑽に加え、新作能にも積極的に取り
組み、海外公演にも数多く参加している。令和4 年横浜文化賞、令和7 年日本
芸術院賞受賞。『梅栄会』主宰。梅若会評議員、梅若実文庫理事。重要無形文
化財総合指定保持者(総合指定)。
西山 まりえ(にしやま・まりえ)チェンバロ/バロックハープ
チェンバロとヒストリカル・ハープ、二種の古楽器を自在に操る稀有な奏者と
して世界的に活躍。各地の音楽祭やコンサートに出演するほか、録音も多数リ
リースしている。東京音楽大学研究科修了後、ミラノ市立音楽院、バーゼル・
スコラ・カントルムに留学。第11 回山梨古楽コンクール・チェンバロ部門第1
位および栃木[蔵の街]音楽祭賞受賞。第23 回同コンクール審査員を務め
る。「信州アーリー・ミュージック村音楽祭」芸術監督。武蔵野音楽大学非常
勤講師。
﨑谷 直人(さきや・なおと)ヴァイオリン
ノボシビルスク国際コンクール・ジュニア部門第1 位、メニューイン国際コン
クール・ジュニア部門第3 位。ケルン音楽大学に当時最年少で入学後、パリ市
立音楽院、桐朋学園ソリスト・ディプロマを経て、バーゼル音楽院を修了。
2006 年にウェールズ弦楽四重奏団を結成。2014 年から8 年間、神奈川フィル
ハーモニー管弦楽団ソロ・コンサートマスターを務めた。現在はソロ、室内
楽、ヴァイオリン・ユニット〈DOS DEL FIDDLES〉など幅広い分野で活動し、
各地のオーケストラに客演コンサートマスターとしても多数出演している。
フォリアとは —— 狂気と祈りを内包する音楽的主題
フォリアとは、15 世紀末から16 世紀にかけてイベリア半島に生まれた舞曲、
あるいはそこから派生した音楽的主題を指します。語源はポルトガル語の
「folia」やイタリア語の「La folia」で、英語の「fool」と同系の語から派
生し、「狂気」「狂乱」「馬鹿騒ぎ」といった意味を持っています。
その起源は、農民たちが熱狂的に踊るテンポの速い舞曲だったと考えられてい
ますが、17 世紀に入ると次第にテンポが落ち着き、一定の低音進行の上に変奏
を重ねる様式が確立されました。こうして生まれた「後期フォリア」は、凛と
した緊張感と内省的な気配を帯びた主題として、バロック時代を通じて広く親
しまれることになります。
ルイ14 世の命により1672 年にリュリが作曲した《スペインのフォリアに基づ
くオーボエのエール》をはじめ、フォリアの主題は地中海沿岸を中心にヨーロ
ッパ各地へ広まり、変奏曲の格好の題材として大流行しました。J.S.バッハ、
ベルリオーズ、リスト、ラフマニノフ、さらには現代のマックス・リヒターに
至るまで、その主題を用いた作曲家は500 人以上にのぼるとも言われていま
す。なかでも特筆すべき作品が、ローマで活躍した作曲家・ヴァイオリニス
ト、アルカンジェロ・コレッリによる《ヴァイオリン・ソナタ集 作品5》終曲
の「ラ・フォリア」です。1700 年に出版されたこの曲集は、18 世紀を通じて
約40 回再版され、器楽音楽の模範としてヨーロッパ中に大きな影響を与えま
した。繰り返される低音主題の上で、技巧的かつ情熱的な変奏が重ねられてい
く様は、まさに「フォリア(狂気)」の名にふさわしい迫力を備えています。
反復のなかで次第に昂揚し、やがて沈静へと向かうフォリアの構造は、狂気と
祈り、逸脱と秩序という相反する要素を同時に内包します。その精神性は、能
楽が長い時間をかけて描いてきた人間の内奥とも、深く響き合っています。
プログラム
*印は、梅若紀彰とのコラボレーション
J.S. バッハ
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2 番 BWV1004 より
第5 楽章 シャコンヌ(Vn solo)*
トラバーチ編/アルカデルト原曲
ハープのための《どうぞ私の命を断って》(Hp solo)
タルティーニ
ヴァイオリン・ソナタ ト短調《悪魔のトリル》(Vn & Cemb)*
バルバトル
ラ・ド・カーズ(Cemb solo)
デュフリ
三美神(Cemb solo)
ロワイエ
スキタイ人の行進(Cemb solo)
コレッリ
ソナタ ニ短調《ラ・フォリア》 Op.5-12(Vn & Cemb)*
※曲目・曲順は変更になる場合がございます。
Vn=ヴァイオリン(﨑谷直人)
Hp=ハープ
Cemb=チェンバロ(西山まりえ)


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《eプラス》
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継 -つなぐ- vol.1「能とバロック~フォリア:狂気と祈り」 【指定席】のチケット予約・購入・販売・情報 | カンフェティ
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